登記懈怠について

またまた空白期間が生じてしまい、いつの間に

やら、年の瀬になりました。

明日から最強の冬将軍が到来するらしく、事務所

内で『寒い・寒い』を連発している私には、つらい

日がきそうです。

 

皆様ご存知の通り、商業法人登記は不動産登記と

異なり登記申請義務が課されております。

 

(変更の登記)
第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は
前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内
、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。

 

911条3項は会社の登記しなければならない事項を

定めて条項ですが、この登記事項の実体的に変更事由

が生じた場合は、当該会社に登記申請義務が発生します。

この登記申請を失念することが登記懈怠と呼ばれます。

 

こちらもご存知のとおり、登記懈怠が発生しますと過料が

課されます。会社法976条を見れば分かるのですが、

この罰は会社ではなく、会社を代表して登記申請行為を

行う個人に与えられます。代表取締役なんかが、その例です。

 

 

過料通知は、代表取締役の住所地を管轄する裁判所より

なされ、一応抗弁を述べる期間があります。

登記できない抗弁としては、ある事情により株主総会が

開催不能状態である等でしょうか。

条文上、100万円以下としか明文化されていないため、

その具体的な過料額は、管轄裁判所の裁量に任されて

おり、通常その登記懈怠の期間及びその登記事項を

考慮して決定されているようです。

 

 

登記懈怠事案で最も多いのは、役員の改選による登記

だと思います。現在の会社法が施行され、非公開会社の

役員の任期が10年に伸長可能になったことにより、登記

申請への意識も以前より希薄化しているような現状を

感じております。

 

中には会社法施行により、自動的に役員任期が10年に

伸長されたと自己解釈されていた方もおり、これは会社法

施行時の国民への周知不足の賜物なのか、この方が稀なのか

、どちらにせよこのような誤解はあってはならないことです。

 

会社法472条には最後の登記から12年経過した会社を

休眠会社として定義し、一定期間に登記又は届出をしなけ

れば職権解散させると定められています。

 

以上より、会社には登記申請により会社の実体性を公示

することで、第三者の取引の安全性を保全するという義務

がありますので、皆様の会社を今一度点検することが重要

だと考えています。

 

   司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

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