父と子の関係

一昨日、子供達に以前より話題を集めている「アナと雪の

女王」を買ってあげました。

子供達は喜んで観ておりますが、いまいちディズニーの

世界観が理解できない私は、登場人物がよく歌う映画

だなという感想しかありません。

未だにアナとエルサの区別がつきません…。

 

 その一昨日にニュースでも話題になっておりました最高裁

の判決がありましたね。

子の父として、「法律上の推定を受ける父」か「血縁関係が

証明された父」なのかが争われた裁判で、最高裁は前者

を父として認めました。

 

 民法772条1項では、《妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と

推定する》とされており、この条文を基準とした父とDNA鑑定により

血縁関係が99.99…%と証明された父について、どちらが法律上

の父として認定するべきかの初の最高裁判断に注目が集まりました。

 

 最高裁の5人の裁判官の中でも意見が分かれたようで、非常に判断

に迷うもので、父と子の法律的安定性に重きを置くのか、子の将来に

向けた福祉に観点を置くのか等様々な解釈基準が錯綜したようです。

 

 以前の私のブログでも父と子のお話は少しさせていただきましたが、

最高裁の補足意見でも示されていたように、現行の民法論理は、今

私達を取り巻く環境に全く追いついてないため、早急にその修正や改正

が必要であることは間違いありません。

 

 最後に民法で定められている父子関係に関する訴訟形態を下記に

ご紹介をしておきます。

 

 

  嫡出否認の訴え

  親子関係不存在の訴え

父を定めること目的とする訴え※1

適用

場面

   推定される嫡出子

  推定されない嫡出子

   推定の及ばない子

二重の推定の及ぶ場合

提起

権者

原則:夫

例外:※2

    利害関係人

    子、母、前夫、後夫

 

相手

原則:子又は親権を行う母

例外:親権を行う母がいないとき、家裁選任の特別代理人

原則:確認を求める当事者

例外;当事者の一方が死亡した場合は検察官

 

        ※3

 

 

提起

期間

原則:夫が子の出生を知った時から1年以内

例外:夫が成年被後見人の場合

⇒後見開始の審判の取消があった後、夫が子の出生を知った時から1年以内

 

 

                   なし

消滅

事由

夫が、子の出生後に、その嫡出であることを承認したとき

 

                   なし

 

※1 772条の規定により、前夫の子との推定と後夫の子との推定が重複する場面

※2 ①夫が成年被後見人であるとき⇒成年後見人

   ②夫が死亡したとき⇒その子のために相続権が害される者・その他夫の3親等内の

                 血族

※3 ①原告が子又は母であるとき⇒前夫及び後夫が共同被告(その一方の死亡後は他の

                      一方)

   ②原告が前夫又は後夫であるとき⇒互いにその相手方となる

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