2014年7月アーカイブ

相続の未登記問題

暑い…。

今日も朝事務所へ歩いているだけで、あまりの

暑さにクラクラしてしまいました。

これから夏本番ですが、体が悲鳴をあげないか心配です。

 

 今朝の読売新聞の記事に、「所有者不明の土地増加」という

ことで、全国的に相続登記が未了の不動産が多くあり、

地方公共団体の買収事業の際に、大きな障害になってい

ると報じています。

 

 東日本大震災以降、東北地域において災害防止策の事業

の一環として用地買収を進める場合や、事業実施のため所有者

の同意を得る場合に、相続登記が未了の不動産が多く発見され

予定通りに事業を進められない事態が生じていることは、ニュース

などでも度々伝えられています。

 

 山林や農地は地方ではその集落の共同財産という権利形態が

多く当事者の集落の住民の個人名で登記され、数十人の共有名

義のまま長期間放置されている場合が、多く見受けられます。

 

 放置されている期間が長い訳ですから、その間相続が連鎖的に

発生し、数次的に権利を取得する相続人が増えていくのは当然の

ことです。今朝の記事には、山形市のある不動産について相続調査

をしたところ、相続人が103名いることが判明したとありました。

 

 また、山林や農地は不動産の資産価値としても低くコストをかけて

相続登記したところで、その後の権利者にとってもあまり意味をなさ

ないといった理由も、相続登記未了の原因の背景にあります。

 相続登記は戸籍収集等の作業が必要で、登記業務の中でも手間

のかかる作業の一つですので、司法書士に依頼してもどうしてもそ

れなりのコストがかかってしまいます。

 

 だからといって、相続登記を行うことは任意ということで何十年も

放置することは、個人の財産保護の観点からも、公共的利益の観点

からも好ましくないと考えます。

 

 現在の法制度は相続登記を強制させることはできませんので、皆様

一人一人の権利意識が大切になってきます。

 来月はお盆で親族が一同に介する場面も多々あろうかと思いますので、

相続登記がお済みでない不動産がある方は、親族全員でご検討される

ことをおすすめいたします。

 

              司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

 

 

 

 

 

 

 

一般財団法人の役員選任議事録

今年から祇園祭の後祭が復活すということで

今日が宵山、明日が巡行の京都です。

先週もお祭の雰囲気でしたので、何か不思議

な感じがしますが、元々は前と後で分かれて

いたそうです。

 

 登記研究796号49項に一般財団法人の役員選任にかかる

議事録についての記事がありました。

 内容の要旨は、ある一般財団法人の定款には

①「理事は評議員会で選任し、当該議事録には出席した評議員

から選ばれた議長と議事録署名人2名が押印する」

②「評議員の選任は評議員選定委員会において選任し、運営細則

には議事録の署名人に関する定めはない」

の、趣旨が規定されている。

 

 質問は、①及び②の議事録には実印の押印及び印鑑証明書の

添付が必要か否かというものです。

 

 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(法人法)は、評議員会

議事録についての署名押印を義務付けていませんので①について

定款の定めのみに従うことになります。よって、議事録の署名人の

実印の押印が強制されることはありません。

 ②も定款で実印の押印を強制されておりませんので、実印

の押印や印鑑証明書の添付も不要になります。

 ちなみに、法人法施行規則60条3項6号で評議員会議事録について

は、議事録の作成者が記載事項とされています。

 

 一般社団法人は理事会が必須期間ですので、理事会で代表理事を選定

する場合に実印の押印や印鑑証明書の添付の必要性が生じるということ

になります。

 

  この記事では、実印の押印を行う必要性がないものの、議長や議事録

署名人の職務と議事録の重要性を認識してもらうために、実印を押印する

ことも政策的にはよいことだと最後に締めくくっています。

 

 個人的には評議員会議事録や評議員選定委員会議事録に実印を押印

することで、その議事に関する証明書面たる「議事録」に、その正当性や

妥当性を付加する意味で実印の押印は好ましいとは思うものの、実際いろ

いろな一般(公益)財団法人のご担当者の方とお話していると、評議員の

中には大変お忙しかったり、かなり名誉のある方であったりと中々実印

の押印と印鑑証明書の準備するのは困難であるの現状ではないかと

感じています。

 

               司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

父と子の関係

一昨日、子供達に以前より話題を集めている「アナと雪の

女王」を買ってあげました。

子供達は喜んで観ておりますが、いまいちディズニーの

世界観が理解できない私は、登場人物がよく歌う映画

だなという感想しかありません。

未だにアナとエルサの区別がつきません…。

 

 その一昨日にニュースでも話題になっておりました最高裁

の判決がありましたね。

子の父として、「法律上の推定を受ける父」か「血縁関係が

証明された父」なのかが争われた裁判で、最高裁は前者

を父として認めました。

 

 民法772条1項では、《妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と

推定する》とされており、この条文を基準とした父とDNA鑑定により

血縁関係が99.99…%と証明された父について、どちらが法律上

の父として認定するべきかの初の最高裁判断に注目が集まりました。

 

 最高裁の5人の裁判官の中でも意見が分かれたようで、非常に判断

に迷うもので、父と子の法律的安定性に重きを置くのか、子の将来に

向けた福祉に観点を置くのか等様々な解釈基準が錯綜したようです。

 

 以前の私のブログでも父と子のお話は少しさせていただきましたが、

最高裁の補足意見でも示されていたように、現行の民法論理は、今

私達を取り巻く環境に全く追いついてないため、早急にその修正や改正

が必要であることは間違いありません。

 

 最後に民法で定められている父子関係に関する訴訟形態を下記に

ご紹介をしておきます。

 

 

  嫡出否認の訴え

  親子関係不存在の訴え

父を定めること目的とする訴え※1

適用

場面

   推定される嫡出子

  推定されない嫡出子

   推定の及ばない子

二重の推定の及ぶ場合

提起

権者

原則:夫

例外:※2

    利害関係人

    子、母、前夫、後夫

 

相手

原則:子又は親権を行う母

例外:親権を行う母がいないとき、家裁選任の特別代理人

原則:確認を求める当事者

例外;当事者の一方が死亡した場合は検察官

 

        ※3

 

 

提起

期間

原則:夫が子の出生を知った時から1年以内

例外:夫が成年被後見人の場合

⇒後見開始の審判の取消があった後、夫が子の出生を知った時から1年以内

 

 

                   なし

消滅

事由

夫が、子の出生後に、その嫡出であることを承認したとき

 

                   なし

 

※1 772条の規定により、前夫の子との推定と後夫の子との推定が重複する場面

※2 ①夫が成年被後見人であるとき⇒成年後見人

   ②夫が死亡したとき⇒その子のために相続権が害される者・その他夫の3親等内の

                 血族

※3 ①原告が子又は母であるとき⇒前夫及び後夫が共同被告(その一方の死亡後は他の

                      一方)

   ②原告が前夫又は後夫であるとき⇒互いにその相手方となる

監査役の権限の制限

今日は祇園祭の宵山ということで、夕方から京都には

たくさんの人が集まるみたいです。

京都の夏の風物詩とはいえ、あの人の大群を見ると、

なかなか足を運ぶ気にはなれず…。

とりあえず、今日も朝から暑いです。

 

 会社法389条で、監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く

非公開会社の監査役は、監査の範囲を会計に関するものに限定する

旨を定款に置くことができるとされています。

非公開会社つまり全部の株式に譲渡制限が付されている会社ですから

日本の中小企業においては、かなり当てはまります。

 

 なぜ非公開会社にのみこのような制限が可能かというと、当該会社では

所有者である株主自身が経営に参加するのが一般的であり、また株主

構成の変動も少なく、株主自身による業務の監督がある程度期待できる

からとされています(落合編・会社法コメ8{吉本健一}446項)。

 監査役には会社法381条1項で取締役の業務に対する監査権限が認め

られていますが、非公開会社における監査役については一定の株主によ

る業務執行に対する監督機能が働くため、業務監査を制限しても会社の

事業運営に支障をきたさないということですね。

 

 このような制限をされている監査役は、前述の業務監査の制限以外に

も、取締役による不正行為又は法令定款違反行為等がある場合の取締役

(取締役会)への報告義務(会社法382条)、取締役会への出席義務及び

意見陳述義務(会社法383条)、議案等についての調査義務(会社法384条)

、取締役の違反行為差止請求権(会社法385条)、会社・取締役間の訴えに

おける会社の代表(会社法389条7項)は、適用がありません。

 

 また、このような制限を置いている会社は、「監査役設置会社」とはならない

(会社法2条1項9号)と定義されるものの、登記上では「監査役設置会社」

として登記すべし(会社法911条3項17号)とされています。

 この立法的不備は、登記記録上は一見業務監査がある外観を有するのに

対し、実は定款上で会計監査しかないということがある訳ですから、早々に

是正されるべき課題です。

 

 今度の改正会社法では、監査権限の制限の有無が登記事項となるような

趣旨の内容が盛り込まれていますが、社会的な取引の安全性を重視すれ

ば当たり前のような気がします。

 

 日本の会社においては監査役は機能不全に陥っているという論評もささやか

れていますが、業務執行機関たる取締役に対して厳しくチェックできる監査役が

どんどん増えいけば、会社の企業統治の面からも非常に有益であると考えてい

ます。ただ、現在の実情では、日本の監査役の地位は「お飾り」でしかないように

思えてなりません。

 

                  司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

 

 

 

 

 

法律行為における意思能力

京都は台風8号による大きな風雨もなく、今日は太陽が顔

を出す程になっています。

毎年のことではありますが、台風や豪雨による自然災害と

いうのは非常に恐ろしいものですね。

やはり常日頃から避難方法の確認等を怠らないことが大切

です。

 

 私達司法書士が登記業務を遂行する上で直面する問題が、

当事者の「意思能力」です。売買契約や相続による遺産分割

協議等多岐に渡ります。

 意思能力とは、『自分の行為の結果を弁識し判断することの

できる能力』とされ、財産行為については7歳程度の認識能力

が必要とされており、当然ながら、意思能力のない人がなした

行為は、当然に無効になります(大判明38.5.11民録11・706)。

 

 当事者一人一人がそれぞれ個別の人格を持っている訳ですから

、明確な基準をもって意思能力の有無の判断ができる訳ではあり

ません。司法書士には意思確認を行う義務がありますから、特に

意思能力の有無が疑われやすい高齢者の方々については、慎重

に確認行為をしなければなりません。

 

 とはいっても、本人と面談して直感で意思能力を喪失していると

判断した場合は依頼をお断りさせていただきますが、判断に迷う

ケースがあるのもの事実です。そのようなときは、やはり医学的

見地からの保証ということで、専門医の診断書を提示してもらうこ

とも考えられます。

 

 不動産の売買を前提にした際に売主の意思能力が喪失している

場合、成年後見制度を利用する方法も考えられます。本人の法定

代理人たる成年後見人が選任されれば、法律的にも安心して契約

を行えることになります。およそこのようなケースは、本人の親族が

主導して不動産売却へ向けて動かれていることが多いでしょうか。

 

 しかし最も忘れてはならない点は、成年後見制度は本人の財産

保護を目的として創設されていることです。親族の恣意的な目的

のために成年後見の申立を行っても、家裁はその申立内容を十分

に審査した上で後見人を選任するでしょうし、親族が後見人に選任

される可能性も低いと思われます(親族が後見人になるのであれ

ば、後見監督人が選任されるはずです)。

 

 今日は成年後見制度についてのお話はやめておきますが、これ

からの高齢化社会に向けて、私達の業務の主眼は「意思確認」と

「本人確認」に置かれております。

 ご依頼いただく皆様には、どうかそのことをご理解いただきたい

と存じます。

 

          司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

内縁について

台風の接近に伴い京都は朝から気温が高いです。

駅から事務所まで歩く間だけでも、少しクラクラして

しまいました。

今日は、水分補給が欠かせないようですね。

 

 最近、婚活への行政支援等メディアによってクローズアップ

されていたりしますが、婚姻とはあくまで法律的手続に

基づいた「法律婚」であり、それ以外の所謂「事実婚」

は内縁とされ、法律的にはその取扱が異なります。

 内縁に関していくつかの定義が唱えられているみたい

ですが、現在は、婚姻に準ずる関係(準婚関係)とするの

が一般的でしょうか(最判昭23.4.11)。

 

 内縁にも婚姻の規定の準用がされるものはいくつか

あります。

「内縁に準用される婚姻規定」

①夫婦の同居・協力・扶助の義務(大判大10.5.17)

②婚姻費用分担義務(最判昭33.4.11)

③日常家事債務の連帯責任(東京地判昭46.5.31)

④帰属不明財産の共有推定(大阪高判昭57.11.30)

 

「内縁に準用されない婚姻の規定」

①姻族関係の発生(民法725③)

②夫婦同氏の原則(民法750)

③成年犠牲(民法753)

④子の嫡出性(民法772)

⑤配偶者の相続権(民法890)

⑥夫婦間の契約取消権(民法754)

 

 その他、一方のパートナーと「離別」して内縁関係が解消した

場合は、財産分与(民法768)の規定を類推適用することは

認められる(最判平12.3.10)が、一方のパートナーが「死亡」

して内縁関係が解消された場合は、財産分与の規定は類推適用

はできない(同判例)とされています。

 

 一方のパートナーの死亡による内縁解消の場合は、本人の相続財産

について財産分与の法理をで遺産を清算する道を開くことは、相続による

財産承継の論理的構造に異なった契機を持込むもので、法の予見すると

ころではないとの理由からとされています。

 

 夫婦別姓の議論にも絡むかもしれませんが、法律婚を望まない形態の

夫婦も日本にも存在しますし、以前テレビのドキュメンタリーで観ましたが

フランスでは法律婚に縛られない形での男女のパートナー制度があるみ

たいです。

 

 お互いがどのような関係を望むにせよ、その関係が解消された際の手当て

を含めて事前に決めておいた方が、無難かもしれません。

 

               司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

 

 

 

 

抵当権抹消について

大型の台風が接近しています。

近年の自然災害は、私達の予測をはるかに超えるものが

多いですので、皆様も細心の注意をしてください。

 

今日は抵当権の抹消について。

 

 ご自宅を購入された際、金融機関等でローンを組み抵当権

を設定された方はたくさんいらっしゃると思います。

 日本の住宅事情で見ると、大半はマイホーム購入時にどこかしらの

金融機関の住宅ローンを組み、所有権を取得します。

 住宅ローンの返済時には、抵当権そのものを意識することは、ほぼ

ありませんが、借り換えをする時や完済した時は、抵当権というものを

意識せざるを得ません。

 

 もう少しで住宅ローンを完済される方は、完済時に金融機関から抵当権

の抹消に必要は書類が交付されます。金融機関によって抹消にかかる連絡

は様々ですが、大手都市銀行であれば住宅ローンセンタ-のような部署から

抵当権抹消登記に必要な書類が一式郵送されてきたりすることがあります。

 つまり「抹消登記はそちらでご勝手にどうぞ」ということです。

 

 抵当権は被担保債権が消滅(=完済)した段階で、付従性によりともに消滅

しますが、その「抹消登記」をしなければ登記簿上い永遠に残ったままになり

ます。よって、金融機関から送られた抹消書類が手元に届いたら速やかに

登記申請をするのが望ましいということです。

 

 大昔に預かったままの銀行の抹消書類が未だ手元にあっても大丈夫です。

 その当時の代表取締役が押印している委任状も、適切な添付書面を準備

することで、登記申請に使用可能です(不動産登記法17条等)。

  抹消書類そのものを紛失されている場合は、金融機関に完済データ等が残存

していれば、再発行してくれるかもしれませんが、別途手数料が発生するケース

が多いでしょうか。

 

 最近ではご自身で登記される方も多いみたいですが、司法書士でさせていただい

ても費用はそんなにかかりませんので、お気軽にご相談いただけると幸甚です。

 

                  司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

 

 

動産・債権譲渡登記の事前提供方式

先週、同期の司法書士とビアガーデンに行きました。

週末ということもあって、たくさんの人で賑わっていまして、

特に大学生くらいの若い集団が目立ってました。

ビアガーデンなので自分で飲み物のおかわりをもらいに

行かなければならないのですが、そこはビールレーンと

酔ハイ・カクテル等レーンに分かれていました。

比率を見るとやはり後者の方が多かったです。

「若者よ、もっとビールを呑みなさい」と、感じました…。

 

 平成26年5月23日法務省民商第49号により、動産・債権譲渡

登記の事前提供方式がスタートしています。

私はこの制度を利用して登記は未だしたことは無いのですが、通達

を見ていると、現行制度よりは登記・供託オンライン申請システムを

利用していることで、若干便利になっていると評価できます。

 

 特に登記事項についてこちらで記録媒体を用意しなくても、事前にオンライン

により事前提供データを送ることで充足できるようです。それにより登記申請

前の事前チェックもしてもらえるようです。

 

但 し、あくまで登記事項内容を事前に提供しているだけなので、登記申請をした

時点でしか「受付」はされません。登記申請は窓口申請又は送付申請になるみた

いでして、不動産登記における特例方式のようには現行ではいかないみたいです。

 

 昨年、動産・譲渡登記申請の唯一の管轄である東京法務局中野出張所内にある

東京法務局民事行政部動産登録課に申請のため足を運びました。不動産登記とは

異なり申請を行い書面等不備が無ければ、20分くらいで登記が完了し登記事項証明書

発行されるとのことでした(私の場合当事者がたくさんいて、2時間近く待ちました)。

 待っている間に眺めていると実際に申請に訪れる人はまばらでしたが、動産譲渡登記より

も債権譲渡登記の申請割合が圧倒的に高かったです。

 

 今月の登記情報632号にもABLについての論稿もありましたが、これからの司法書士

は不動産登記だけではなく、動産・債権譲渡登記申請についても積極的に取り組みその

専門性を発揮しなければならないと強く感じています。

 

                     司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

 

定時株主総会を終えて

今日から7月がスタートですね。

6月は我が事務所もバタバタとしまして、なかなか本ブログを

落ち着いて書く暇がありませんでした(泣)。

 

先週の27日が東証一部上場企業の集中日だったようで日本企業

の今年の定時株主総会もほとんど終わった感があります。

 

新聞記事等を見ていて、特に目を惹いたのが外国の機関投資家

の割合が日本の主要企業において割合が高いという点です。

勿論、公開された市場の中で株式が流通する訳ですから、海外の

機関投資家による資本が注入されるのは当たり前ですが、いくつかの

有名企業の株式占有割合において、外国の機関投資家が高い比率を

占めているみたいです。

 

先日の商事法務№2034でも紹介されていましたが、機関投資家を名宛

人とする行為規範である日本版「スチュワードシップ・コード」の受け入れを

表明している機関投資家も増えているみたいです。

 

某薬品工業における外国人をトップに迎える人事案につき、創業家一族

が反対をしている話などは、日本の企業風土の本質を感じます。

また、最近ではまったく違う業界から経営トップを招く人事が増加しており

、「プロ経営者」なんて新聞では紹介されていました。

創業家一族が長年守り抜いてきた企業価値に、グローバル化の時代の波に

耐え抜くため、全く新しい血を入れることも現在の日本企業には必要不可欠

なのかもしれません。

 

非上場の会社においても、現在の株主のパワーバランス等を見誤ると、将来

の事業経営において損害を与える可能性もありますし、一度再確認をする

ほうが好ましいと考えます。

 

               司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志