2011年8月アーカイブ

どうも久しぶりになります。

 

司法書士法人高山事務所の、司法書士梶原貴志です。

 

かなり久しぶりに記事を書いておりますが、皆様節電の夏ですが

いかがお過ごしでしょうか。

 

当事務所では、節電が叫ばれる昨今、クーラーが普通についていて

涼しい環境で仕事をしております。

 

今日は、最近徐々に増えてきている特例民法法人から公益法人への移行

登記の際に遭遇した印鑑証明書のお話です。

 

特例民法法人(社団法人・財団法人)には、理事長たる職の方がいるのが

大半かと思いますが、公益法人へ移行する際には新たに代表理事を選定

しなければなりません。

 

ほとんどの特例民法法人では、[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」における

理事会を置いていませんので、代表理事を新定款に定めるのが、通常です。

 

この新定款で代表理事を定める=代表理事を選定することになりますので、この定款変更

の決議にかかる議事録に、商業登記規則61条4項が絡んでくることになります。

 

定款(寄付行為)の変更は、それぞれの定款(寄付行為)に定めがありますので、社団法人なら社員総会議事録と

理事会議事録、財団法人なら評議委員会議事録と理事会議事録とかが、一般的です。

 

ですので、原則議事録には議長及び議事録署名人の個人の実印の押印とそれぞれの印鑑証明書の

添付が必要になりますが、議長が法人を代表する者で、その者が法務局届印を押印すれば他の者は

実印押印と印鑑証明書の添付は省略できることになります。

 

 

以上を踏まえて、私も移行の登記手続をしていましたが、最近ある財団法人の担当者から

 

「一般財団法人へ移行するために、定款の変更決議をしたのが、今から2年程前になります。

議事録には理事長が法人の実印(法務局届印)を押印しています。ただその時に在任していた理事長は、

既に退任してるんです。どうしましょうか。」

 

こんな事を仰いました。

 

法務局に問い合わせしましたら、印鑑届をした代表者が退任するとその者の印鑑に関する

情報は削除されるので、商業登記規則第61条但書の適用はできませんとのご回答。

よって、当時の理事長と議事録署名人全員の実印の押印が必要とのことでした。

 

つまり、移行登記申請時点において印鑑届をしている者にしか、商業登記規則第61条但書は

適用されないとあっさり言われて、そんな質問をされるとは情けないとまで皮肉られました。

 

確かに法務局の登記官の言う通りです。よって、わたしも財団法人の担当者にお願いして

当時の理事長と議事録署名人に議事録への個人の実印をお願い中でございます。

(当時の理事長はなかなか納得されていないようですが…)

 

ただ、当時の議長が存命で、現段階で実印の押印と印鑑証明書の添付ができ

ますが、例えば定款変更の決議後、死亡した場合はどう対処したよいか疑問が

わきました。

 

定款変更決議をして、移行にかかるまで1~2年の期間が空くことはしばしば

あります。その間に、理事長が死亡してしまえば、定款変更の議事録に理事長

の個人の印鑑を押印できません。

この場合どう対処したらよいのでしょうか。

 

定款の変更決議を再度やり直し…?…まさかね…。。

 

移行の登記も後2年くらいの間に、発生するものなのであまり

気にしなくてもいい論点なのかと思いますが、特例法人からの

移行登記の相談の際には、注意しなければならないと思います。

 

当事務所でも、ある程度の数の公益法人への移行登記をして

参りました。

 

公益法人にかかわらず、各種法人のご担当者の方は、

司法書士法人高山事務所へご相談ください。